2014年02月20日(木)

シェードガーデン

よく知られている徒然草の第55段に『家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。』と言う有名な行があります。それがいつの間にか電気仕掛けの家になり、また高気密高断熱から、『冬をむねとすべし』に変わってしまいました。これは電気エネルギーを取り入れだしてからの考え方、住まい方がそうさせたのかもしれません。この機会に、夏の暑さをどのように対処するか、夏をいかに生活に取り込んでうまく暮らし方を考えていくかを考える絶好のチャンスでもあります。

さてシェードという言葉をご存知でしょうか…。ここで言うのは、日陰を作るためのアイテムのことです。

日本では古来からヨシズとか立て簾などが伝統的な風物詩として広く使われてきました。オーストラリアのように紫外線が強く雨の少ない国では、日除けとしてシート状のシェードが幅広く使われています。

シドニー周辺の都市では夏場、屋上には必ずパーゴラのようなものを作り、そこにシェードを張って日陰を作ります。紫外線で目を痛めたり、夏の時期には対策を打たないと外で遊ぶことさえ危険な状態になります。保育園や幼稚園では、朝の10時から昼の2時過ぎまでシェードを張らないと子供を外へ出せないような法律さえあるぐらいです。

そこに環境の問題が出てきて省エネが今最も注目される中、このシェードを使うと大幅に効果を上げられるのです。それは直射日光の当たり続ける周辺より10度以上温度が下がるためです。セメントやタイルなどは昼間熱くなると大変な温度上昇になり、裸足では火傷してしまう位になります。そんな折にこのシェードを使うと、熱い空気はその生地の間から抜け、まるで夏のヨシズや立て簾の下にいるように日陰を作り、涼しくなります。家の中への暑い日差しも防いでくれます。

建築や庭という言葉で、そのハードな部分だけでは季節は快適に過ごせません。CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)値を意識し、今の快適さを保ちながら環境に負荷をかけないような人の暮らしを創る…そのための知識や技術や人の暮らしを思いやることの大事さがこれからますます問われていくのではないかと思います。