2014年02月19日(水)

5thROOMにつながるビオガーデン

ビオトープという言葉をご存知でしょうか・・・。ドイツ語で「生物が生きる(生息できる)空間」という意味の言葉です。ドイツでは戦後、廃墟に自然を戻そうということでビオトープ法が作られました。森を戻し、植栽は多植生にして必ず地域に住む動物や鳥や虫のための地域植生を大事にした設計をしています。

一方、日本の森はスギとヒノキだらけになり、そこは落葉系のものが少なくなりました。腐葉土の元になる枯葉がない山は、微生物の発生も少なく、命の連鎖が元から閉ざされた状態になっています。その山には保水効果もなく、土はやせてきて、時には鉄砲水がおきるようになってしまいます。

自然を取り戻すために、川をわざと蛇行させ、葦を植えて自然浄化させる仕組みを取り入れたり、いろいろな生き物の生きる空間を川岸など各所に設けたりしています。その命の連鎖という基本が危機的な状態の中でドイツではビオトープ法を緑の党が支援し生まれました。

その基本は水辺です。いわゆるオアシスを作るということです。すべての生き物の基本である水辺は、命の連鎖をつくっていきます。その中で人が囲って庭での暮らし、幸せなエデンをということで「ガウエデン」・・・いわゆる「ガーデン」を楽しみ、その基本をビオトープと結び付けて地域の命の絆を取り込む設計がビオガーデン(タカショーが提唱する造語です)という考え方に当たります。

庭を設計して植樹をするときには、地域に住むための樹を選び、また植物を選び、生物の水飲み場や簡単な自然風の池を作る・・・。もちろんそこには人が見て景観がきれいでないといけません。そこに自然をそっと持ち込んだ風景の池。そして水は浄化するために人で言う心臓部に当たるポンプを入れて流れをつくり、ろ過、浄化しながらそこに水辺の植物や魚の住み家を作るとさらによくなります。

ヨーロッパでは「鯉センター」という鯉の売っている専門店があり、こよなく愛されています。日本の里山や自然の美しさと同じようなものを、ヨーロッパの方々は楽しんでいます。日本人としての歴史や文化や暮らしの本質に戻って考えないといけない時期に来ているのではないでしょうか。

エコをテーマにその価値をうたっていく長期住宅の良さと、人々にとって本当の住まいとは何かを、もっと伝えていきたいと思います。

2014年02月05日(水)

ウォーターガーデンの世界

クロード・モネのという印象派を代表するフランスの画家はよくご存知と思います。そのモネが最も愛したのは日本の風景であったと云われています。

彼はジヴェルニーに移り住んだ後は,エプト川の水を引き込み池を作り、そこに日本風の橋を作り、睡蓮をモチーフに見事な絵を描き続けました。睡蓮の季節になるとその周辺は見事な緑で彩られます。

湿地植物も含めての岸辺植物。菖蒲やガマ、杜若、蓮のように水底に根を張って茎や葉や花を水面から突き抜けて育つ抽水植物。睡蓮、ジュンサイのように水面に根を張るが水面上に浮かせて育つ浮葉植物。マコモ、バイカモのように水の中で葉を広げ大半を水中で生育する沈水植物。そして、水面に浮いた状態で水面を浮遊する植物など大まかに分けられます。そのベースになるのが池です。

ガーデンの中にバラ園やハーブガーデンや植栽をし、景観を作るように、このウォーターガーデンはこの時期に見事な変化を見せます。冬の何もない寂しい風景とは対照的です。

ヨーロッパではこういった池に鯉センター(Koi center)で買い求めた魚を放ち、そこに噴水を飛ばし、夜は水中ライトも入れてガーデンと共に光で演出します。自然の水辺もよいですが、ウォーターフォールのテクニックを使い、水の音や動きを池の演出と組み合わせると、さらにきれいで、心を癒やされる空間になるでしょう。

世界のリゾートホテルの演出はまさにこの水をどのように空間に取り込むかがテーマになっています。住宅のリビングガーデン「5thROOM」に水空間をつくれば、そこはオアシスになります。水という自然界の血液を動かす心臓部分がガーデンポンプです。ぜひ、私たちの暮らしの側に人工的でもいいので、ウォーターガーデンで自然と呼吸する庭暮らしに挑戦されてはいかがでしょうか。

2014年01月27日(月)

里山

かつては大雨でも、自然のダムのような役目をする原始林やいろんな木々や下草が多い茂り、そして色んな生き物が共存できる森がありました。そしてそんな森と住まいをつなぐ里山的なところは、今は人の手も入らなくなってしまい、荒れてきています。

今では、すっかり残り少なくなった昔懐かしい里山。そしてそこに生きる植物や昆虫などをとおして,人と自然との接点を作ってくれていた里山の重要性を感じます。

里山に限らず、森にはいろんな役目があります。例えば災害を防ぐ役目をすることです。高い木々は、台風や砂ぼこりなどをやわらげてくれます。また、木々が根をはる大地はスポンジのように水を吸い、土砂崩れや洪水を防ぎます。日本の山々が人工林で根が浅くなり、保水効果が薄れると、山崩れや鉄砲水などがしばしば起きてしまいます。

空気をきれいにする役目もあります。今、私たちの暮らす地球は、二酸化炭素が多すぎる状況になっています。植物は光合成によってこの二酸化炭素を吸って、自分の活力に使っているのです。

日本の多くの里山は、40年前ほどから、急に人がいなくなりました。その結果、草木が乱雑に茂った「薮」になり、場所によってはゴミ捨て場になってしまったり。昔は子供の遊び場や地域に住んでいる人たちの憩いの場だったのに、今は誰も寄りつかなくなっています。

すべては効率という言葉の元に人口が都会に集中し始めた頃から変わりました。その頃は豊かな自然の元に豊かな心、そして貧しいながらも家族、隣人、自然との語らい、みんなの心も豊かでした。今の生きる価値判断はお金という物差しで計られていますが、はたしてそう言うものなのでしょうか。住まいが自然から学ぶべきことは限りなくあります。ある時は自然に逆らわず、またある時は自然の力を認め、自然を取り込み共生して生きていく。この考え方がすばらしい住まいに繋がるのではと感じます。

メダカや魚、鳥や多くの虫たち、カエルや蛍がいるせせらぎでの夕暮れからの季節の癒やし・・・。

「暮らす」という基本から考え、多少貧しくてでも、心が貧しくないそんな人たちの地域やコミュニティータウンが必要ではないかと考えます。よい家はよい庭があってその評価になります。

2014年01月24日(金)

雨水のやさしさ

ビオトープという言葉があります。これは環境大国ドイツからの外来語で『生き物の生きる空間』と言う意味です。そのドイツではガーデンにおける水の使われ方が、いろんな分野でうまく利用されています。ひとつは、自然に見立てた池です。これはまさにオアシスを作り、人にとって心地のよい空間と、水生の植物、水際の植物、そして多くの虫や動物が集まるビオトープの根幹になるところです。

そんなドイツで、雨水の利用が一般化しています。通信販売やホームセンターで、住宅の庭の下に埋めて使う大きな雨水タンク(かなり大型で、価格も業務用)が売られていたり、雨どいから取り込みタンクなどは石調や木調の手軽なものが2万円ぐらいまでで売られています。

水は、地球上の生物に無くてはならない大切な資源です。その元となるのが雨です。日本が砂漠になったら・・・。水を大切に使用するためにも、素晴らしい天然資源の雨水を有効に利用していきたいものです。例えば、花や野菜、庭木への散水、庭の打ち水、洗車用水、池の水、作業用手洗い水、トイレの流し水、窓拭き用水、消毒液や液肥のうすめ用水、消火用水、非常用水等々、飲み水以外の生活雑用水として使用できます。もし大きな災害があったときには、非常用としては、とても助かるものの一つでもあります。

雨水利用には基本的な知識が必要です。まずは屋根の面積から計算すること。屋根面積では25m2から40m2で1トンという目安とも言われています。水を常時満たし、光を防ぎ、水温は18度以下に保ち、凍結を防ぐことが必要です。酸性雨を中和できることや循環ポンプを使い、水に酸素を供給できることがきれいな水を使える条件になります。また地中埋設型のタンクの方が、建物内へタンクを設置するよりも基本的には望ましいとは言われます。それとアクセスビリティが高く、清掃が簡単、特別なコストをかけずにメンテナンスできることも大事です。

雨水利用は非常に新しい技術でありながら、今の日本ではまだ発展途上の技術であり、最低限の仕様ができたばかりです。しかしながら今の日本では、新しい住宅装備の一部となってきています。そしてエコロジ−に密接な技術であることから、経済的重要性も高まってきております。町全体が取り付けられれば、大雨のときの貯水池の役目にもなり、最近はスカイツリーの地下はそんな目的で浸水防止まで考えて作られている大きな貯水が備えられているらしいです。

古くから昔の家には、鉢やちょっとした工夫で水を溜めるものを置いていたところが懐かしい田舎の風景に見かけられたような気がします。縦の雨どいに取り付けられる簡単な集水具があります。雨どいを途中で切ってはめ込むだけです。簡単な構造ですが、溜まる様子には心が躍ります。鉢には小さな金魚などを入れてボウフラの発生を防ぐことができます。

環境にやさしいというのは、暮らしのゆとりや、家族や人に優しくなることにつながり、本来の日本の風習や里山や自然の神という、日本人の原点につながっていくのではないかと思います。そして自然に学び、自然に暮らそうとする気持ちが、本来のゆとりある暮らしを取り戻していく大きなきっかけにもなるのではと思います。

2014年01月15日(水)

生活の質

今、健康に対しての考え方が大変重要になってきています。モノが豊かであれば幸せであるという発想から、「クオリティー・オブ・ライフ」すなわち生活の質をあげるためのデザインをするという考え方で、これは知価革命と言われています。特にガーデンは、囲ってそこに楽園を創る(ガードしてエデンを創る)という言葉の意味もありますが、これからの時代は自分の心に楽園をつくる心の時代の象徴的な空間でもあります。

高齢化する世の中のことを考えると、ガーデンを設計するときには健康に対する大きなテーマがあります。健康や不健康には4つの大きな段階があり、事前治療のヘルスプロモーションがこれからの住宅の生活設計にますます取り入れていく必要があります。

寿命が延び、高齢化した先進国では、医療費がパンク状態にあり、長期療養、入院ができないのが実態です。日本でも同様に、今後自宅療養の準備が必要です。しかし、医療機関にかかる前に何よりも必要なのは日頃からの健康に関しての考え方です。病院で直すという直接的な医療のほかに、できるだけ日々の暮らしの中で不健康要素をなくすことです。これがこれからのガーデンの暮らしを取り入れる設計をしていくときの重要な要素になります。

体によい食事を心がけ、原因の3つに、まず(1)心理からくる病気です。(2)環境からくる病気もそうです。光が入り、風が通り、夏も冷房を強力に入れなくてもよい、家族が集まれて、家族が笑顔で語れる場所であり、お隣さんとのコミュニケーションも気軽にできる、そんな環境です。冬暖かく、夏は比較的涼しい、まさに昔の日本家屋の懐かしい設計を思い出します。(3)生活習慣からくる病気です。季節が時間を刻み、自然の時間をきちんと取り込める生活を送れば、人は自然から命の元気をもらえるはずです。不健康な食事や不規則な時間、適度な運動、バランスのよい暮らしを日頃の生活で事前療法しておくことで、できるだけ病気にならないようにすることです。この事前療法は、ガーデンで行えることが非常に多いのではないかと思います。

例えば芳香療法(香りによるリラックスや意識)、花療法(花を楽しむ)、園芸療法(家庭菜園、食する)、薬草療法(ハーブ他)、森林療法(森を歩き自然浴)、芸術療法(盆栽、庭づくり、生け花)、また動物療法でのペットの介在やアクアガーデン、ビオトープ(鳥や虫や自然の命)、生態系などに人の介在し、コミュニケーションや自然との呼吸がしっかりできることによって、事前療法は可能であると思われます。

凝った間取りや立派な家具も必要かもしれませんが、人が健康に楽しく長生きできるための設計がこれからの本当の生活価値として注目されていくことは間違いないでしょう。