2014年03月04日(火)

エコガーデンについて

戦後の復興の日本を経験し「もったいない」を大事にされてきた方々にとっては、わが身を削って、我慢される姿は心痛いぐらいです。しかし、便利な暮らしに慣れきった私たちは今、暮らしを見直す絶好の機会であるかもしれません。

私の家では、この暑いさなかリビングのエアコンは今年一回も点けていません。90歳近いおばあちゃんも一緒に暮らしておりますが決してやせ我慢ではありません。我が家には、「ポーチガーデン(庇)」がつけられ、熱線約50%カットのポリカーボネート屋根になっています。50%は簡単に言うと半日陰と言うことでもあります。そしてその上に、約90%遮光のクールシェード(日除けシェード)のシートを屋根の上にかけて、簡単な「重石」で固定しています。

まだまだあります。ガーデニングで4年近くかかりましたが、そのポーチの下を「アイスバーグ」と言うツルバラを一面に這わせました。植物の葉は水を含んで、その先を涼しくしてくれます。

そしてデッキでは、空からの暑さと照り返しの暑さがあります。デッキは間伐材を利用した木に時間をかけて高温処理し、水と栄養分を抜き半ば炭のようにした「タンモクウッド」のデッキです。天然木でも硬い木は熱を持ち熱くなりがちですが、このデッキは熱を持ちにくいので過ごし易くなります。

庭先は塀をやたらせず、本物の木のように見える「エバーアートウッド」でスリット状に建てたフェンスにすることで空気が通ります。また景色の良い方向には、2重になったメッシュフェンスの植物が絡みやすい「トレメッシュフェンス」で囲い、そこにはツルバラや、今何と家内が丹精込めて?育てるカボチャがいくつかなり、荒っぽく言えばジャングルのようです。風の道をつくり、落葉樹を中心に樹木を植え木陰を出来る限りつくり、また我が家では家庭菜園をほんの猫の額ほどですが、皆でやっています。こんな姿、どこかで見たこと有りませんか? 昔の日本の暮らし方です。

日本家屋、そして日本の庭に海外の暮らしの手段を無理やり入れてしまったことの弊害がこのようなときに出てきたのかもしれません。
今できること・・・それは経営も、暮らし方も、このエネルギーそのものの考え方も、基本から見直せるこんなチャンスはないと思います。私たちは季節や自然に恵まれた日本人なのです。

2014年02月20日(木)

シェードガーデン

よく知られている徒然草の第55段に『家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。』と言う有名な行があります。それがいつの間にか電気仕掛けの家になり、また高気密高断熱から、『冬をむねとすべし』に変わってしまいました。これは電気エネルギーを取り入れだしてからの考え方、住まい方がそうさせたのかもしれません。この機会に、夏の暑さをどのように対処するか、夏をいかに生活に取り込んでうまく暮らし方を考えていくかを考える絶好のチャンスでもあります。

さてシェードという言葉をご存知でしょうか…。ここで言うのは、日陰を作るためのアイテムのことです。

日本では古来からヨシズとか立て簾などが伝統的な風物詩として広く使われてきました。オーストラリアのように紫外線が強く雨の少ない国では、日除けとしてシート状のシェードが幅広く使われています。

シドニー周辺の都市では夏場、屋上には必ずパーゴラのようなものを作り、そこにシェードを張って日陰を作ります。紫外線で目を痛めたり、夏の時期には対策を打たないと外で遊ぶことさえ危険な状態になります。保育園や幼稚園では、朝の10時から昼の2時過ぎまでシェードを張らないと子供を外へ出せないような法律さえあるぐらいです。

そこに環境の問題が出てきて省エネが今最も注目される中、このシェードを使うと大幅に効果を上げられるのです。それは直射日光の当たり続ける周辺より10度以上温度が下がるためです。セメントやタイルなどは昼間熱くなると大変な温度上昇になり、裸足では火傷してしまう位になります。そんな折にこのシェードを使うと、熱い空気はその生地の間から抜け、まるで夏のヨシズや立て簾の下にいるように日陰を作り、涼しくなります。家の中への暑い日差しも防いでくれます。

建築や庭という言葉で、そのハードな部分だけでは季節は快適に過ごせません。CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)値を意識し、今の快適さを保ちながら環境に負荷をかけないような人の暮らしを創る…そのための知識や技術や人の暮らしを思いやることの大事さがこれからますます問われていくのではないかと思います。

2014年02月19日(水)

5thROOMにつながるビオガーデン

ビオトープという言葉をご存知でしょうか・・・。ドイツ語で「生物が生きる(生息できる)空間」という意味の言葉です。ドイツでは戦後、廃墟に自然を戻そうということでビオトープ法が作られました。森を戻し、植栽は多植生にして必ず地域に住む動物や鳥や虫のための地域植生を大事にした設計をしています。

一方、日本の森はスギとヒノキだらけになり、そこは落葉系のものが少なくなりました。腐葉土の元になる枯葉がない山は、微生物の発生も少なく、命の連鎖が元から閉ざされた状態になっています。その山には保水効果もなく、土はやせてきて、時には鉄砲水がおきるようになってしまいます。

自然を取り戻すために、川をわざと蛇行させ、葦を植えて自然浄化させる仕組みを取り入れたり、いろいろな生き物の生きる空間を川岸など各所に設けたりしています。その命の連鎖という基本が危機的な状態の中でドイツではビオトープ法を緑の党が支援し生まれました。

その基本は水辺です。いわゆるオアシスを作るということです。すべての生き物の基本である水辺は、命の連鎖をつくっていきます。その中で人が囲って庭での暮らし、幸せなエデンをということで「ガウエデン」・・・いわゆる「ガーデン」を楽しみ、その基本をビオトープと結び付けて地域の命の絆を取り込む設計がビオガーデン(タカショーが提唱する造語です)という考え方に当たります。

庭を設計して植樹をするときには、地域に住むための樹を選び、また植物を選び、生物の水飲み場や簡単な自然風の池を作る・・・。もちろんそこには人が見て景観がきれいでないといけません。そこに自然をそっと持ち込んだ風景の池。そして水は浄化するために人で言う心臓部に当たるポンプを入れて流れをつくり、ろ過、浄化しながらそこに水辺の植物や魚の住み家を作るとさらによくなります。

ヨーロッパでは「鯉センター」という鯉の売っている専門店があり、こよなく愛されています。日本の里山や自然の美しさと同じようなものを、ヨーロッパの方々は楽しんでいます。日本人としての歴史や文化や暮らしの本質に戻って考えないといけない時期に来ているのではないでしょうか。

エコをテーマにその価値をうたっていく長期住宅の良さと、人々にとって本当の住まいとは何かを、もっと伝えていきたいと思います。

2014年02月17日(月)

スマートハウス

昨今の電力事情や省エネからスマートハウスという言葉が盛んに話題になっています。スマートハウスは住宅内の情報を消費者のコントロール化で地域社会と共有する仕組みで、その情報を基にエネルギーなどの需要と供給情報を活用し、賢くエネルギーが使用、制御される仕組みがスマートハウスでです。

このスマートハウスにはスマートメーターが必要で総合的に利用されると、エネルギーの最適化、快適な住居環境の実現、そして新たな付加サービスが実現していくようです。

ここで大事なのは、外部空間との関係です。数字には表せないが、家の中を風が通り、落葉樹木が日陰を作り、冬の日差しを通し、またビオトープや水辺で自然の環境を作り、ひさしを設けることにより、日陰とその下でのリビング空間になり、その5thROOMでの暮らす時間が省エネにもつながります。

外の断熱のようにクールシェードというヨシズ効果のようなのを取り付けるだけで、7度近く温度が下がります。水を含んだ植物を植えることによりさらに、直射日光の照り返しも少なく、特にグリーンカーテンなどは心地よく季節をかもし出します。

このように、スマートハウスの効率性をコントロールするようなものには、経済性を計算した設計の高気密高断熱や多種多様な技術はありますが、大事なのは暮らしの楽しさ、快適性、また自然にやさしい暮らし方や環境に配慮した考えが大事です。縁側での夏のそよ風に触れながらスイカをほうばり、風鈴の音を楽しむ。金魚が睡蓮鉢で涼しそうに睡蓮の葉の下で姿を見せ、団扇がゆっくりと時をあおぐ。屋内の暮らしと屋外の暮らしを一つの部屋にすれば、そこは5thROOM(五番目の部屋)として、最高のスマートガーデンとハウスのスマート家庭(ハウス)を演出できると思います。

目的ばかりに目をとらわれて、人としての大事なものをなくさないスマートハウスの考え方であって欲しいと願うこの頃です。

2014年02月06日(木)

リビングガーデンスタイル

テラスルームを作るのであれば、ダイニングやリビングルームの延長線上を意識して作ります。これによって屋内の部屋と屋外の部屋が一体となった感覚が生まれます。

これからのガーデンスタイルには大別して「ファミリー」「ジャパニーズ」「ボタニカル」「リゾート」の4つの“庭の暮らし”が設計できます。中でも「ボタニカルリビングガーデン」は家庭菜園を基本として野菜を育て、収穫し、料理し、家族のコミュニケーションを大事に考える庭くらしです。

家庭菜園が好きな方は、その土にこだわり、バラや樹木やアプローチの間にトマトや子ねぎなどの野菜を植え込んでしまうぐらいです。食事やお茶の時間は、花の香りや緑のそよぎや鳥や虫の息吹を感じ取れるすばらしい感動の場になります。

反面、植物の管理が面倒で時間が少なく、ゆっくりリラックスしたいという方には、「リゾートリビングガーデン」がよいでしょう。できるだけ土は避け、ガーデンポットに植物を植え、噴水や小さくてもプールが設けられています。そして、つるもの植物が日影を作る。夕暮れ時にはやさしい色をしたガーデンライトが、静かに昼間と違う味わいを照らし出す・・・。そこはリゾート気分をしっかり満喫できます。

「リゾートリビングガーデン」の日本型は、省スペースで、風通しのよい壁の目隠しがあることです。リラックスできるファニチャーにウォーターガーデンの要素を加え、ローボルト式のほのかに光るガーデンライトを一室多灯にし、夢の世界を演出するのも良いでしょう。まさに「リゾートリビングガーデン」は、これからの5番目の部屋の代表であるような気がします。