2014年02月12日(水)

ローズガーデン2

昨年のバラのシーズンには、多くの場所でバラを中心としたガーデニングフェアーが開かれました。西武ドームでは「国際バラとガーデニングショウ」が盛大に開かれ、また、九州のハウステンボスでは100万本のバラの花が飾られ、自慢の地植えのバラも公園やホテルに所狭しと並んでいました。何キロもある運河沿いに垂れるように咲き誇るつるバラや、アート風の大きなオベリスクやアーチのある宮殿を背景にしたバラの花の香りや色や姿に酔いしれるようにたくさんの来場で賑わっていました。

そんな時期に我が家の花々も咲き誇っていました。7年前の秋にバラの苗が届き、その日から家族の生活まで一変しました。土作りから、毎週のように家内と二人でガーデニングの日々が続きました。何気ない土や排水、日当たり、風通しを気になるようになりました。そして2年目には大きく伸びたバラを、まるで自分の絵のようにテラスの下に針金誘引していきました。そうすると、あっという間にアイスバーグの白い花々と甘い香りに満ちるテラスガーデンの空間が完成。その足元の宿根草や短年草の花々。

すべての植物は季節がくると芽を出し、葉をつけ、花を咲かせ、やがて落葉し季節の彩を感じさせてくれます。風が通り、その香は人々に癒やしをもたらせます。

この癒やしをもたらしてくれる条件がこの五感の庭です。人間には嗅覚、触覚、聴覚、味覚、視覚と五つの感覚が備わっています。これに、機能や便利や快適なエクステリア商品を組み合わすことにより、見違えるようなすばらしいガーデン空間に変わります。無機質なカーポートは私から見ると最もすばらしいバラのための骨組みとして使えます。とげの弱い方はモッコウバラ、香りを求められる方は、香り高いつるバラはいかがでしょうか。

このローズガーデンでは、体が持つ全ての感覚機能を有効に使い、植物をもっと身近に楽しむことができます。自分で丹精こめて育てたバラや植物だと家に帰っての感動がひとしお。みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか?

2014年01月10日(金)

シンボルツリー

オーストラリアでは、よく見かける植物を大事に考えたボタニカルガーデンというのが多く見受けられます。もともとはイギリス領のためイングリッシュガーデンがベースになっている関係で緑を大事に考えています。

家を建てるときには、そこ土地に生えている樹を見てそこから家をレイアウトしていくと、よく言われます。多くの場合、この樹が家のシンボルツリーになっています。ガーデンを作るときには、まず住まい手の庭や暮らしのテーマを見つけることから始めます。ガーデンプランナーが一番頭を悩ませるところでもあり、腕の見せ所でもあります。施主様とこのことについての時間が一番難しく、また時間をとられるそうです。そのスタートがシンボルツリーといってもいいかもしれません。

シンボルツリーは記念樹の意味合いがありますが、家全体のイメージや印象に大きく影響を与えます。外壁の色や質感によりけりで、和風なら輪郭がはっきりしているもの、洋風なら自然な立ち姿のものがよいとされています。大きな樹なら、その根元にデッキを作り、またハンモックをつけたり、まさにトロピカル風や、森の家のような空間を創造したりと、庭と家とを挟む部分で大きなテーマになります。しかし日本のように造成して家を建てるときはそのような贅沢は言えず、人工的に植栽をするシンボルツリーが大半です。それも主庭でなく、玄関付近に多く使われます。

しかし、庭のコンセプトや家族の意見や将来を見てのこのシンボルツリーは家族の絆をもたらす大事なものになります。シンボルツリーが決まればサブツリーをどうするかというところにもストーリーは続きます。

満月ロウバイなど、香りのする樹は住まい手や近くの方々にとてもリラックス感や季節感をもたらします。この樹は真冬に黄色い花を咲かせてとてもいい香りをさせてくれるそうです。木々を選ぶ前には、あなたの庭の環境条件をチェックします。日照はどうか、風通しはどうか、気候風土はどうか・・・。都市部では厳しい日照条件の庭が多くなっています。十分な日当たりや風通しが確保できない場合が多いわけです。これは、木の選び方に大きな影響を及ぼします。何時間ぐらい日が当たるかで、植える木の種類が変わってきます。紅葉を楽しむ木は日当たりのよい場所、日陰なら耐陰性のある木々を選ばなくてはなりません。桂の樹はよく使われますが幸福を呼ぶとも言われ、秋の紅葉は一段と映えます。また、寒冷地では寒さに強い木を、逆に暖地ではあまり元気に育たない、あるいは害虫の被害が多いという木々も少なくありません。まず、自分の庭環境の条件を十分に考えて決められるのがよいと思います。

また、木の大きさにより庭の景色のポイントになる主木、主木を引き立てる中木、さらに主木、中木を引き立てる下木(根締め)といった役割がありますが、これも最近の狭い庭事情には合いません。住まいの表情や庭の大きさ、好みで自由に選びましょう。しかし、小さな庭で常緑樹を中心にしては暗い感じの庭になってしまいます。落葉樹を上手に組み合わせたいものです。また、花の咲く木、葉や樹形を楽しむ木、実を楽しむ木と見所もいろいろ。樹形や葉色、葉の形、質感なども重要な要素です。落葉に関してですが、下が地面だとさっと箒で集めることができて手間はかからないことから、デッキの床をくりぬき、そこにシンボルツリーを植えるという手もよく使われます。

サブツリーは小さな樹になることが多いのですが、厄除けの意味とすれば難を転ずるという意味でナンテンを我が家では植えています。日本庭園でもこのような自然を活かした庭づくりが大切にされています。家のシンボルツリーは長い歴史から生まれてきたとても大事な風習なのでしょう。セメントや石を張っただけの庭よりも、シンボルツリーがあるだけで、庭だけでなく、家の表情も変わります。

樹1本から学ぶものも多いのではないでしょうか。

2014年01月09日(木)

ガーデンサービスチャンネル

工業的な考え方のエクステリアは新しさが価値という考えで、お施主様に引渡しさせていただいた日から、悪く(古く)なっていくというイメージがあります。しかし、自然を取り込んだガーデンという領域は、「お引渡しのときはまだ未完成(未熟)である」という表現をしたりします。それは木々や植物の植え込まれた状態の完成度が低いが、季節や年月また暮らしの変化にしたがって長い時間をかけ、庭は作りこんでいくという考え方であるからです。

工業的なデザインを目一杯されたの空間で暮らしていると、やがては息苦さを感じさせるでしょう。その空間は感動も変化もなく、何の変化もなく、命も季節の感動もない空間になってしまうことがあります。しかし、未完成の庭こそ、時間をかけ、作りこみ、そして馴染みながら、やがてすばらしい自然と人との空間に成長していくのです。

庭づくりは良いガーデンアシストができるエリアキーパーにめぐり合えるかが大事です。そのためには、まずは庭づくりにおけるメンテナンスがうまくできるベースになっているかです。でよく芝が枯れるとか、バラが育たない、花も植えられない、湿るなどという悩みを聞くことがあります。排水が悪い庭は植物だけでなく住宅にとってもよくありません。排水を改善するには、暗渠排水のように排水の悪い場所を掘り、水の浸透する配管を埋め、雨水枡へつなげ周りに細かい砂利を入れ、土や砂を戻し踏み固める方法があります。その他にも土から砂への入れ替え、側溝の設置、雨水枡の設置などがありますが、庭も住宅と同じで、何より家と同じで基礎の部分が大事です。

水たまりや水はけを考えること、植物の育ちやすい土の改善のために土壌の診断をすること、見えないところの部分が、木々や植物、芝、バラなどのあらゆる生き物の育成にとっての大事な条件になります。

よいガーデンのメンテナンスをするためには、多少コストが高くついても、基本の部分をしっかりしておくことです。高い投資をして建てた家と、庭を楽しむためには良い業者との出会いが基本条件になります。「ちゃんとした業者」はCADを持ち、よいショールームを整備し、心地よい商談をするということもありますが、何よりも現場に行き、お客様のために高くついても、あえてきちんとした価格を提示できる人こそ、ちゃんとした業者といえるのではないでしょうか。

「モノの価値」があれば、「コトの価値」という言葉があります。コトの価値は業者さんという、その人との出会いをどう見極めるか・・・。そして庭はあせらず時間をかけてしっかり作りこんでいく・・・。あえて時間をかけるという『時間の価値』を楽しむのが、リビングガーデンにとって最高の贅沢かもしれません。

2013年12月26日(木)

5thROOMのファニチャー

東日本大震災の後、『家族と普通に暮らせることがとても幸せ』と言う声をよく聞きます。また、アメリカでのニューヨーク同時多発テロや、その後のサブプライムローンなどの大不況を経験しましたが、その後「ステイケーション」(stay & vacation)という造語がはやっており、週末は家で過ごす人が増えています。

『ホームリゾート』『ステイケーション』は、まさに健康的でお金がかからない、最高の贅沢な空間と言えます。その基本要素は、前回お話させていただいた『デッキ』の床、そして目かくしの『塀』、テラスガーデンの『照明』『心を癒やす緑』などです。

その中で人の暮らしにとっての大事な要素の一つが『ガーデンファニチャー』です。くつろぐには、座り心地が深い、奥行きが広いデザインのものを取り入れたり、床面の条件や周囲の素材に合わせて、タイルでできたのものや、人工のラタン製の編み上げ素材でソフトな座り心地の高級感あるもの、自然素材を好まれる方はチークなどの木製がお似合いです。

家族が一緒に食事をつくり、ともに食べ、コミュニケーションをとる場の提供をイメージしたリゾートリビングスタイルでのゆったりとしたファニチャーや、家庭菜園から食事まで、家族がともにするポタジェーガーデンには大きなテーブルのスタイルで、楽しい家族の笑い声が生まれます。ガーデンは遊んだり、食事をしたり、一緒に菜園を楽しんだり、そして豊かな花や緑、季節を感じながら子供達は成長し、家族の思いでは爽やかなそよ風の香りの中で育まれます。庭は家族一人一人の歩みと同じように時の流れ、季節の巡りと共にあるもの・・・。植物や花の色のうつろいと共に家族と年を重ねるからこそ、庭づくりは家族にとって素敵でやさしいものでありたい、皆が大好きといえる場所であって欲しいと願います。キッチンガーデンやリゾートを感じさせるリゾートガーデンスタイル、いつも花いっぱいのボタニカルガーデンスタイルなど、庭での楽しみ方は一人一人の暮らし方にあわせて広がります。それぞれの暮らしにあった家具を提案できることがお客様の幸せの心地を提供できる素晴らしい暮らしのデザイナーではないでしょうか。

2013年12月25日(水)

5thROOMの床

5thROOM(五番目の部屋)の基本は、室内での暮らしの延長線上にある外での暮らし方をいい、「テラスルーム」とか「OUTDOOR LIVING」という表現でも使われています。家の延長線上で時には室内のリビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームと一緒のフロアにして、屋外や屋内での暮らしが同一の空間として楽しめる構造、間取りが5thROOMの概念です。

室内からはできる限り延長線上にフラットにデッキを伸ばして、そこを取り込んだ空間を作ることにより、リゾートやくつろぎの間や、自然との交わりを作ることによりリラックスや心の健康の部分までも創造することが可能になります。その空間を作るためには、壁、屋根、家具、そして何よりも大事なのはデッキです。五番目の部屋の手法がよく使われるオーストラリアでは、ここ数年に渡って、庭のスペースが小さくなり、部屋と庭をつなぐ中間領域のポーチルームが流行になってきています。原因は、紫外線に対しての防護と、自然と呼吸する健康的でリラックスした家族や友人との交流の場を大事に考えているからです。その一番大事な基本は室内のフロアからフラットに延長したデッキが大変重要な要素になります。

そのデッキで一番大切なことは「優しさ」です。供給側からいえば、メンテナンスが楽で手間がかからない、そんな利己主義的なことを考えがちですが、それはお客様(生活者)にはたまったものではありません。例えば今流行のリサイクルウッド(合成木材)ですが、夏には温度をため込んで裸足で歩くにはヤケドをするほどの温度になってしまいます。公共スペースであるとか、特殊な腐らないものを使うという制約でもあればよいでしょうが、そのままでは照り返しと暑さで大変になりかねません。まして、いまの省エネやスマートハウス的な節電型の考えでは、正反対の方向になります。

海外ではプールサイドをはじめ、外のデッキには天然の木を主流として使い、夏の直射日光を避けるためにシェードやオーニング、パーゴラを入れての日陰をかならず設計に入れます。

メンテナンスを考えるとデッキタイルでセラミック製のものもあり、非常に管理もよく、使う側からしても空間をシックに楽しめ、掃除もしやすく魅力的です。リサイクルウッドデッキも環境を考えた時のマイナス面を、例えばテラスに敷く「ラグマット(テラス用じゅうたん)」やシェード等で十分フォローでき、腐りにくいというプラス面を十分活かすこともできます。一部人工木のものには温度の上昇を防ぐ機能の持たせたものや、天然でも腐りにくい加工をしたタンモクウッドのような安心な素材のものもあります。

庭と屋内をつなぐデッキのステージは家族が季節や自然、またコミュニケーションを作り出せる、最大に感動や幸せを生み出せる大事なライフステージスペースとして、デッキスペースはこれからの住宅の「家」と「庭」をつなぐ需要部分であります。そしてデッキスペースは、目的に合わせたガーデンファニチャーを置き、テーブルコーディネートをし、そこは「家庭」という幸せな暮らしをもたらす最高の場の演出を引き出すこともできます。ポーチガーデンの庇(ひさし)をつけ、その空間に夜の光を組み込めば、自然と呼吸する住宅メーカーは「家庭」という暮らしの総合の設計やデザイン、施工そしてメンテナンスをしながら、それぞれの家庭の幸せを作る素晴らしい仕事であることを、さらに認識を再度強くしていく必要があるように思われます。